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■篠原貿易の歩み1 ■篠原貿易の歩み2 ■篠原貿易の歩み3
3.未来を目指すアクティブな企業へ
 
原石輸入中心の初代篠原正廣氏の時代、輸出を中心の復興期から高度成長期へ向かつた二代目篠原方泰氏の時代を経て、いよいよ現社長義明氏の時代になります。義明氏が社にもどった、昭和52年の頃は円高が進み始め、後発の開発途上国の韓国や台湾に押され、当社のメイン商品である水晶製品の輸出は減少の一途をたどっていました。−方国内では高度成長期も終わり日本のGNPは世界一位となり、人々は真に豊かな生活を求めるようになってきました。ハイクオリティーのジュエリー製品のニーズは日常化し、新たな模索が始まります。伝統のSOKYOフェアや毎年春催される甲府ジュエリーフェアなど、大型の商談フェアに数多く参加し、その中心メンバーとして、次々と新商品を提案していきました。

時代のニーズを新しく商品開発
 
3代目義明氏は昭和26年(1951)甲府で生まれました。武蔵大学経済学部卒業後、東京で3年間勤務。その後静岡県富士宮にある貿易研修センターで貿易実務を研修した後昭和52年篠原貿易に入社しました。 昭和61年、惜しまれながら亡くなった方泰氏に代わって、若い義明氏が35才で社長に就く頃、世界の政治も経済もめまぐるしく変わりつつありました。義明氏は、宝石卸の会社での修業時代の経験を生かし、それまで輸出中心であった水晶彫刻品の国内販売に力を入れることにしました。思い切った戦略の転換でしたが、展示会形式の販売スタイルが全盛の時でしたので北海道から九州まで引き合いが多く、積極的展開が行われました。
置物の販売も安定した昭和58年頃より、さらに業務の幅を広げるべくジュエリーを手掛けるようになりました。義明氏は、ジュエリーでは後発組でしたので同業の中でどのように自社の特徴を出すかが問題であったと言っています。スタートが水晶の輸入会社ということもあって半貴石を使ったジュエリーにこだわろう。そのようなコンセプトでスタートし、様々なユニークなカラーストーンジュエリー製品に情熱を注いできました。そのこだわりは現在も変わっていません。
SORJEコンテストで山梨県知事賞を受賞したセミプレシャスストーンのオリジナルリング もう一つの問題は良い工場に巡り会うことでした。なかなか希望する仕事をしてくれる工場が見つからなかったこともあり、貿易の経験を生かして工場を海外に探すことになりました。昭和62年より香港の工場とタイアップし本格的にオリジナルジュエリーを作り初めて以来、昭和63年にブローチで知事賞を受賞、その後市長賞、日本ジュエリー協会会長賞、会議所会頭賞、日本経済新聞社賞、など数多くの賞を受賞することができました。平成6年の山梨県装身具協会主催のコンテストではセミプレシャスストーンのリングで再び知事賞を受賞。ジュエリーの部門でも着実に実績を積み上げています。

80年の歴史を未来に向けて
 
県地場産業センターは地場産品の情報発信基地 先代方泰氏が業界のリーダーとして奔走した成果は、実はこの時代になりようやく完成されてきました。県立宝石美術学校も、地場産業センターやデサインセンターも今ようやく地域に定着してきました。
先代方泰氏の影響を受けたのか、義明氏もまた仕事のかたわらいくつかの社会活動へ参加し、青年会議所時代は山梨プロックの会長として、またその後は商工会議所の議員としてまちづくり運動に携わっています。
フェアで接客に忙しい義明氏夫妻 バブル時代に急成長を遂げた宝飾業界もバブルの終わりとともにさまざまな危機に襲われます。価格破壊にともなう流通の変化、円高による輸入環境の変化、阪神大震災によるマーケットの冷え込み。創業80年はそのような激動の時代でした。

90年の歴史を未来に向けて
 
現 篠原貿易株式会社の社屋全景 バブル後の日本経済の低迷とともに、その後宝飾業界は90年のピーク時に比べ、その市場が1/3に縮小するという激変に見舞われました。海外ブランドの進出、TVショッピング、インターネットを通じての販売など宝飾業界は絶えず変化しつづけています。宝飾品も財産的価値観を訴える時代から、確かな品質に加え、いかに顧客のニーズを反映し、顧客に十分な満足を与えることの出来る商品を開発するかという観点に変わって来ています。

 2005年、篠原貿易は創業90周年を迎えました。この90年の長きにわたる蓄積は他社にはない独自のものです。歴史の中に生きるということは幾多の時代の変化に機敏に対応し、自社の独自性を打ち出しながらその変化を乗り越えていくことではないでしょうか。
国内工場のみならず海外工場を使いながらグローバルなネットワークの中で生きていく企業として、篠原貿易は21世紀、さらなる発展を続けていきます。


(取材・編集/フリーライター高橋辰雄)

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